第15章：メソッドのオーバーロード

メソッドのオーバーロードとは、同じ名前のメソッドを引数の種類や数を変えて複数定義することです。処理内容が似ているが、引数が異なるメソッドを整理して書くときに使います。

コード例：オーバーロードの基本

using System;

class Calculator
{
    public int Add(int a, int b)
    {
        return a + b;
    }

    public double Add(double a, double b)
    {
        return a + b;
    }

    public int Add(int a, int b, int c)
    {
        return a + b + c;
    }
}

class Program
{
    static void Main()
    {
        Calculator calc = new Calculator();
        Console.WriteLine(calc.Add(1, 2));         // int, int
        Console.WriteLine(calc.Add(1.5, 2.3));     // double, double
        Console.WriteLine(calc.Add(1, 2, 3));      // int, int, int
    }
}

出力結果

3
3.8
6

解説

メソッド名がすべて Add ですが、引数の型や数が違うため区別されます。
同じ処理をするが、受け取るデータ型や数が異なる場面で使うと便利です。
戻り値の型だけ違っていてもオーバーロードにはなりません（引数で区別されます）。

注意点

戻り値の違いだけではオーバーロードできません（エラーになります）。
引数の型や数、順序の違いで明確に区別できるようにします。

練習問題

Printer クラスを作って、Print(string) と Print(int) の2つのメソッドを定義してください。
呼び出し側でそれぞれ適切な型の引数を渡して動作を確認しましょう。