第12章：コンストラクター（初期化処理）

コンストラクター（constructor）は、オブジェクトを生成したときに自動的に実行される特別なメソッドです。 主に、フィールドの初期化や準備処理を行います。

コード例：コンストラクターの基本

using System;

class Person
{
    public string Name;

    // コンストラクター
    public Person(string name)
    {
        Name = name;
        Console.WriteLine("コンストラクターが呼ばれました");
    }

    public void SayHello()
    {
        Console.WriteLine("こんにちは、" + Name + "です。");
    }
}

class Program
{
    static void Main()
    {
        Person p = new Person("田中");
        p.SayHello();
    }
}

出力結果

解説

• クラス名と同じ名前のメソッドがコンストラクターです。
• 戻り値（void など）は書きません。
• new Person("田中") でインスタンスを作るときに、自動的に呼ばれます。
• 初期値の設定や初期処理ができるため便利です。

コード例：複数のコンストラクター（オーバーロード）

class Person
{
    public string Name;

    public Person()
    {
        Name = "名無し";
    }

    public Person(string name)
    {
        Name = name;
    }

    public void SayHello()
    {
        Console.WriteLine("こんにちは、" + Name + "です。");
    }
}

class Program
{
    static void Main()
    {
        Person p1 = new Person();
        Person p2 = new Person("佐藤");

        p1.SayHello();
        p2.SayHello();
    }
}

出力結果

解説

• 引数なしと引数ありの2つのコンストラクターを定義しています。
• 目的に応じて使い分けることができます（オーバーロード）。

練習問題

• Book クラスにコンストラクターを追加して、Title と Author を初期化できるようにしましょう。
• 引数なしのコンストラクターも作って、デフォルト値を設定してみましょう。